大判例

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東京地方裁判所 昭和56年(ワ)5328号 判決

一 原告が、本件意匠権(〔編註〕意匠に係る物品は止水栓)を有していること及び本件登録意匠が別添の本件意匠公報に示すとおりであること、並びに被告が被告製品を製造、販売していることは当事者間に争いがない。

二 被告意匠が本件登録意匠に類似するか否か、次に判断する。

本件登録意匠を示すこと当事者間に争いがない別添の本件意匠公報及び被告製品を示すこと当事者間に争いがない別紙目録の記載及び弁論の全趣旨によれば、本件登録意匠の底部には、他部より長い直径を有する円柱形の筒体があり、したがつて、右底部の形状は正面、背面、両側面から見たとき角張つて突出している印象を与えるのに対し、被告意匠の底部には、丸みをもつて円弧状に膨出した筒体があり、したがつて右底部の形状は丸みのある柔らかい印象を与えること、及び、右底部の筒体上に設置された円筒体の更に上方の部材(以下、「上方体」という。)の形状が、本件登録意匠では、順次小さい直径となる二個の円筒体と一個のねじ部が三段に積み重ねられた形状であるのに対し、被告意匠では、下端に鍔部を有する全体の長さの二分の一強の長さを持つ一個の円筒体及びその上端に同径の一個のねじ部を有するのみで、段階的な積み重ね形状ではなく、本件登録意匠に比し縦に長く延びた、全体としても一個の円筒体の形状であることが認められる。

右によれば、被告意匠が本件登録意匠と比べ、底部の筒状の形状と上方体の形状において、顕著な差異を有し、全体としての美感を全く異にしていることが明らかであり、被告意匠が本件登録意匠に類似すると認めることはできない。原告の主張は採用しない。

三 よつて、被告意匠が本件登録意匠に類似することを前提とする原告の本訴請求は、その余の点について判断するまでもなく理由がないから、これを棄却する。

〔編註〕 本件に関する意匠は左のとおりである。

被告意匠

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本件登録意匠

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